私は天体観測を始める前からSonyのa6400を利用しましたが、海外の方が開発されたASCOMドライバを利用し、Sharpcapで電視観望を行っていました。
こちらのドライバです。非公式ドライバなので自己責任です。とても素晴らしいドライバでa6400が電子観望で使えるようになり、世界が変わりました。
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しかし、一つ大きな問題があり、なぜかすべての画像が緑色になってしまうという欠点がありました。ドライバの欠陥ではなく、撮影関係のソフトが対応してないということだと思います。APTなどで撮影しても同じ症状です。
Sharpcapでライブスタックするとカラーバランスの調整ができるので、電視観望としては問題ありません。ただ、Fitsファイルとして保存し、DSSやステライメージ等で開くと大きくカラーバランスが崩れていて、編集が困難という状況でした。
一方でSonyのカメラがカメラ内で生成するRawファイル(拡張子ARW)のファイルはソフトが対応しているため、そんなことは起こりません。
ということで、
「カメラ」→「Sharpcap」→「Fitsファイル」というフローではなく
「カメラ」→「Sharpcap」→「Rawファイル(拡張子ARW)」というフローでなんとかデータを保存できないか悩んでいました。
しかし、良い方法が見つからず、Sharpcapを利用せずにカメラ単体で撮影するしかないのかなと思っていました。(ディザリング撮影もできなくなってしまいます。)
最後にダメ元でドライバー開発者さんのHPを読み直していると
If your workflow doesn't yet include processing FIT files, you can have the driver save the raw received files to a folder on your computer.
との記述があり、どうもカメラからPCにカメラ内のRAWファイルが取り込めるような感じです。そこで、ドライバの設定画面を見直してみると、、、。
ああ、なんか怪しいチェックボタン[Save Raw Captures]とパスを指定できる欄がありました。早速、チェックを入れ、フォルダを指定してsharpcapで撮影を開始すると、、、
sharpcapの撮影と同時に指定したフォルダにカメラからRAWファイル(ARWファイル)が、ガンガン転送されてきます。もっと早く気づけばよかった、、、、。
試しにステライメージで開いてみても色に問題なしです!
ちなみに同じタイミングでSharpcapから出てきたFitsファイルをステライメージで開くと、、、。
こん感じで緑色です。ベイヤーRBG変換を手動でかけてもまともな色になりません。(ベイヤーパターンを変更してもダメでした。)
ということで、今後は、Sharpcapで電視観望を楽しみながら裏でカメラ内のRAWファイルを撮りためて、後々編集するというプロセスが実行できそうです。PHD2とSharpcapを利用したディザリング撮影もできそうです。
緑かぶりがa6400だけの症状なのかわかりませんが、Sonyのカメラを使っていて同じ状況で悩まれている方はこの方法がお勧めになりそうです。(かなりニッチな需要だとは思いますが、、、。)
それにしてもドライバ開発者さんに感謝しかありません。本当に素晴らしいです。