天体観測日記

ベランダから電視観望で星空を眺めるようになったばかりのサラリーマンのブログです。 自分の体験談、失敗談を備忘録として記録していきます。基本的に画質は悪いです🙈

北極星が見えないベランダでSynScan Proアプリによる極軸合わせ

SynScan Proアプリを利用すると、北極星の見えないベランダで極軸合わせができることがわかったので備忘録として記録しておきます。古くからある機能だと思うのですが、なぜかあまりネットでも紹介されてません。なぜでしょう?(赤道儀とSynScan Proがインストールされた端末との接続に別途SynScan USBやSynScan Wi-Fiが必要だからかな?)

ハンドコントローラーで極軸合わせができるSky-watcher関係の赤道儀なら多分どれも利用できると思われます。また、WindowsiPhone、確認していませんがAndroid版のSynScan Proいずれも利用できると思われます。

赤道儀に付属しているハンドコントローラーでも同様の機能は利用できますが、アプリの方が単純に画面が見やすい分使いやすいです。ハンドコントローラーのない赤道儀化AZ-GTiなどでも利用できるととても捗ると思うのですが、、、。wifiが標準装備ですしね。ただ、手持ちのaz-gtiは、スイッチが壊れてしまい確認できません。使えなかったらごめんなさい。
→ R4年5月16日追記 AzGTiでもアプリ上(赤道儀モード)では動作を確認しました!

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手順は以下のとおりです。

1 赤道儀の設置
赤道儀を水平にセッティングし、大まかに極軸調整しておきます。といっても北極星は見えないので、私の場合iphoneのコンパスアプリで北に向けているだけです。端的にいって適当です。ついでに三脚の水平もiPhoneアプリの電子水準器で測定しています。

 

2   赤道儀とSynScan proアプリの接続

赤道儀のハンドコントローラーを外し、代わりにSynScan Proがインストールされた端末にSynScan USBやSynScan Wi-Fiで接続し、SynScan Proアプリを起動して、赤道儀に接続します。うまく接続できないときは、赤道儀側のモジュラーをつけたり外したりすると接続できます。我が家の場合。

 

3 SynScan Proアプリで2スターアライメントする
SynScan Proアプリで2スターアライメントを実行します。ちなみにSkywatcherのHPにアップロードされているSynScan Proのマニュアルによると、極軸アライメント機能については2スターアライメントを推奨しており、3スターアライメントは適していないと記載されています。ハンドコントローラーですと、アライメントの基準星の一覧性が低いのですが、アプリは画面が見やすいです。また、基準星が肉眼で見えない場合は、Windows版のSynScan Proですとsharpcapなどと連携してプレートソルビングして導入することも可能です。(←ベランダから見える範囲の空に肉眼で見やすい基準星が候補に上がってこないことが多々ありますので、都会ではこれ重要だと思います。)

 

4  SynScan Proアプリの極軸アライメントを開く
[ユーティリティ]→[アドバンスド]→[極軸アライメント]というアイコンが、選べるようになりますのでクリックします。このアイコン2スターアライメントしないと有効になりません。(クリックしても開けない。)

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5   極軸合わせに利用する星を選ぶ
極軸合わせに利用する星を選択するように言われますので選択します。SynScan Proのマニュアルでは、2スターアライメントに利用した星のどちらかを選択することを推奨しています。

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6   極軸合わせに利用する星を視野の中心に導入する
赤道儀が動作し5で選択した星に向かって望遠鏡が移動します。アプリで赤道儀を操作して視野の中心に星を導入するように求められますので移動が終わった際に選択した星が視野の中心からずれている場合は、導入後にOK(星マーク)を押します。アライメントに利用した星を選んだ場合は、既に中心に導入できていると思いますので、そのままOKを押してしまいます。

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7 高度の調整
6でOKを押すと、赤道儀が動作し視野の中心に導入した星が高度がずれている分移動します。移動した星が視野の中央に入るように赤道儀の高度のボルトを調整し、OKを押します。(アプリではなく赤道儀のボルト、つまみ等で調整します。)大きくずれた場合は、ファインダー等で大まかに調整した後に、アイピースやデジカメで調整すると迷わなくてすみます。

追記:極軸が大きくずれている場合は、星がパソコンの画面の外まで飛んでいってしまうことがあります。6でOKを押す時は画面をしっかり視認し、どちらの方向に星が動いて行くか確認しておきましょう。そうしないと、ボルトをどちらの方向に調整すればいいのかわからなくなってしまいます。(汗

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8 方位の調整
7でOKを押すと、視野の中心に導入した星が今度は、方位がずれている分移動します。移動した星が視野の中央に入るように赤道儀の方位のボルトを調整しOKを押します。(アプリではなく赤道儀のボルト、つまみ等で調整します。)

追記:極軸が大きくずれている場合は、星がパソコンの画面の外まで飛んでいってしまうことがあります。7でOKを押す時は画面をしっかり視認し、どちらの方向に星が動いて行くか確認しておきましょう。そうしないと、ボルトをどちらの方向に調整すればいいのかわからなくなってしまいます。(汗

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以上で、終了です。私の場合は、念の為、2スターアライメントした星を基準星として上記4-7を2回繰り返しています。

どこまで正確に極軸があっているかはわからないのですが、普段利用しているケンコーのse2-j赤道儀ではPHD2でオートガイド撮影する分にはRMSの数値はこれで安定している(0.2を切るくらい。基準星のアライメントを厳密に行うと0.15くらい。)ので多分大丈夫だと思います。ちなみにノータッチガイドだと1分が限界です。(汗