天体観測日記

ベランダから電視観望で星空を眺めるようになったばかりのサラリーマンのブログです。 自分の体験談、失敗談を備忘録として記録していきます。基本的に画質は悪いです🙈

GradientXTerminatorで背景を均一化

NGC7293を撮影した翌日は、NGC253を撮影しました。
こちらも我が家のベランダから南側の名古屋市の中心地のあたりの低い空の対象です。
撮影後PixinsightのDBEでポイントを500点くらい打点し、カブリを除去しようとしましたが、、、。

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編集後にSTFでブーストすると何ということでしょう。渦を巻いたようなムラが残ってしまいます。彼岸花星雲を撮影した時もこんな感じでしたが、光害がひどすぎるとこうなってしまうのか。はたまた、我が家の周辺の照明(街路灯とか)のせいなのか。迷光しているのか。フラット補正の失敗か。私のPixinsightの編集の腕が悪いのか謎です。

強調しなければこんなことにはならないのですが、強調前もやはりに目に見えてムラが残ってしまいます。この画像をTIFF形式で保存してPhotoshopにで開き、GradientXTerminator(フィルタ)背景を均一化していきます。

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使い方は、公式HPにわかりやすいマニュアルがありますので、それを参照すれば簡単だと思います。ただし、英語なので苦手な人はGoogle翻訳を使いましょう。私は使いました。😢
投げ縄ツールや自動選択ツールをつかって、背景を選択してGradientXTerminatorをフィルタとして適用する感じです。

処理したTIFFファイルをもう一度Pixinsightで開いてSTFでブーストすると、完ぺきではないにせよだいぶマシになったという感じです。

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最終的にこんな感じになりました。光害地でワンショットナローバンドフィルターを使ったベランダ撮影としてはまずまず?GradientXTerminatorなかなかやるな!という感じ。画面いっぱいに広がる星雲とかの処理には向いていない気がしますが、惑星状星雲とか銀河には効果的なのかもしれません。
けど、そもそも遠征して、光害のないところで撮影したいですね。ハイ。

梅雨も明けそうなので久しぶりにベランダ撮影

仕事・プライベートともにいろいろ立て込んでしまい天体撮影はしばらくお休みしていましたが、梅雨明けとともにやる気が湧いてきまして久しぶりにベランダ天体撮影でリハビリしました。
夏真っ盛りですが、我が家のベランダからは秋の天体の一部しか撮影できません。ワンショットナローバンドフィルターで撮影しやすそうなNGC7293を対象にしました。

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望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
フィルター IDASNB1
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでオートガイド撮影+ディザリング
ガイド鏡•カメラ sv165 zwo asi385
露出 180秒(gain100)×51枚
撮影地 名古屋市外れの自宅。
※Pixinsightで編集。→GradientXTerminatorでさらにカブリ処理。

我が家から南の名古屋市中心地の光害まみれのの低い位置に位置する天体なので、背景の処理に苦労しましたが、どんなもんでしょうか。PixinsightのDBEだけでは背景を均一にできなかったので、BlurXTerminatorやNoiseXTerminatorを開発してるRC ASTROのGradientXTerminatorを試用してみました。

Photoshopプラグインなのですが、Photoshopの選択ツールで背景を自分で選択し、GradientXTerminator(フィルタ)で処理をするという形の処理になります。
ネットを検索してもあまり利用している方もいなそうでして、他の天体も撮影して、効果を見定めたいと思います。

ともあれ、2か月ぶりくらいに撮影しましたが、やっぱり天体撮影は楽しいですね!
梅雨の間は、仕事・親せきから譲り受けたメダカの世話をするための水槽の立ち上げ、長男へのガンプラ指南などでヘトヘトでしたが、天文が自分に一番向いている気がします。

月夜の電子観望とNGC6888

知人の高校生の息子さんが、以前からHSTとかJWSTの撮影した写真が大好き&電子観望に興味があるとのことで、いつでもお見せしますよとお話していました。

夏の星雲がそんなに遅くない時間に観望できる季節になり、かつ、梅雨時に晴れ間がのぞいたので、ほぼ満月なんですけどナローバンドなら大丈夫だろうと、自宅の庭に機材を展開してまったり撮影しつつ、来られたらどうぞと気軽にお誘いしていました。
22時くらいに到着されたので、簡単に見えられるM13、M16,M17、M27、網状星雲あたりを説明しながらお見せしました。(M8は、木が邪魔で視界に入らず、、、。残念。)

電子観望といえば、Sharpcapが定番なのですが、パソコンを出すのが億劫で、ASIAIRPROのLIVEモードでフラット、ダーク、バイアスファイルを設定して、iPadで見てもらいました。ASI2600MCをBIN2にして、30秒露光と少し長めの設定にしたのですが、よく映ってくれていろいろお話できました。

途中からガンプラの話とか、キンプリの話とか脱線しましたが、それもコミで楽しんでもらえたのかな?1時間くらいで帰宅されたので、その後、ベランダからは撮影できないNGC6888まったり撮影しました。

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望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
フィルター IDASNB1
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでオートガイド撮影+ディザリング
ガイド鏡•カメラ sv165 zwo asi385
露出 300秒(gain100)×30枚  ※間違えてBIN2で撮影
撮影地 名古屋市外れの自宅。
※Pixinsightで編集。


電子観望の際にカメラをBIN2に設定したのを忘れていて、BIN2で撮影してしましました。ダーク・バイアスファイルは、BIN1で撮影したものだったのですが、Pixinsightで普通に処理できてしまいました。処理した後にBIN2で撮影してたことを気づいたんですけどね。自動で調整してくれたのでしょうか。すごいなあ。

なお、周辺部にところどころ白いカスミのような領域がありますが、国内外の皆様の作例を確認した結果、背景ムラではないようなのでこのままにしました。

NGC7023(アイリス星雲)は撮影できたけど、、、。

沖縄が梅雨入り!東海地方が梅雨に入る前に一回、遠征しておこうと思い、天気予報とにらめっこしながら、振替休日の前日に豊田市に突撃しました。ついでにお借りしているASIAIR PROの現地テストも実施しました。(結果的にASIAIR PROは特に問題もなく動作しました。)
撮影する対象は、超新星の出現で話題のM101にしようか悩みましたが、M101の撮影は自宅でもできるので、遠征地でないと撮影が不可能であろうモクモクまみれのアイリス星雲にしました。

ngc7023

望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
フィルター なし
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでオートガイド撮影+ディザリング
ガイド鏡•カメラ sv165 zwo asi385
露出 180秒(gain100)×45枚
撮影地 豊田市
※Pixinsightで編集。星雲中心部にHDRMT処理。

 

風と寒さに悩まされながらなんとか撮り終えました。3時間程度露光できたのですが、風によりブレているコマをオミットして、2時間半程度の露光になりました。
2時間半じゃ厳しいかなと思い、自宅で処理してみるとモクモクは結構いい感じなのですが、なぜか星像がかなりいびつになっていました。

ちょっとこれはないなあという感じ。
撮影直前に光軸は合わせたため、光軸のズレではないと思うのですが、ガイドエラーなのかフランジバックがずれたのかちょっとあり得ないくらい歪んでいるので、要検証です。しかし、梅雨入りで全然晴れそうにもなく、しばらく悶々とした日々を送ることになりそうです。M101超新星も見られないなあ。
ただ、アイリス星雲のモクモクを撮影できたのが嬉しいので良しとします。

ASIAIR PROをお借りした(手動ピントあわせ編)

EAFほしいなあと思いながら購入に至っていない私としては、ASIAIR単体でピントをうまく合わせられるか不安でした。なんとなく、ASIAIRは、ZWOのEAF装着前提で設計されているのではないかと思い込んでいたのです。
ところが、ちゃんと「Focus」という手動でピントあわせするための機能が用意されていたのでした。

「Focus」を開いて星を導入してピントを合わせるだけなのですが、この季節は、我が家のベランダから明るい星がほぼ見えません。また、光害カットフィルターを利用しているため、ピントが大きくずれていると暗い星がほとんど映らないのですね。

そのため、ベランダから一番遠くに見えるモリコロパークの観覧車にピントを合わせて、おおまかに無限遠のピントを出します。狙うときは、LEDファインダー(skyserfer3)を使っています。(望遠鏡のドローチューブに無限遠の目印をつけていればいらない作業なのですが、ズボラで作業放置中なのです。)

画面右側の丸いボタンを押すと撮影が開始されます。シャッタースピードは、フィルターの有無や空の状況などによって調整するのですが、早いほうがピント調整はしやすいですよね。また、ASIAIRからスマホタブレットへの画像の転送が遅いと大きな遅延が発生し、ピントが合わせにくいので、「Bin4」にして、画像を縮小しています。

左側にあるZOOMボタンを押すと、↓のように緑の枠の中が拡大表示されます。(観覧車の航空障害灯が写っています。)緑の枠はタップで移動できるので、ピントを合わせる対象が画面の中心にある必要はありません。

f:id:hosiryman:20230521002341p:imageおおまかにピントを合わせてしまえば、暗めの星でもピント合わせがしやすくなるので、星図から適当な星を選んで導入します。

↑拡大して、Star Sizeを確認しながらピントをあわせるか、、、。

↑バーティノフマスクで合わせるかお好きなほうで。

パソコンソフトのNINAやSharpcapにもある機能なのですが、スマホのアプリによくまとめたなあという感じです。

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といいつつ、M27を撮影しながら、ZWOのEAFの購入を検討している私なのでした。

 

ASIAR PROをお借りした(赤道儀接続編)

暖かくなるにつれ、虫を見かけるようになりました。
ベランダに望遠鏡をおいて、ケーブルで室内のパソコンで撮影や電子観望をしている我が家は、ベランダのガラス戸を少しだけ開けておいて、そこにケーブルを這わせる必要があります。その隙間からいつ何時Gが侵入してくるかわからないわけです。私以外の家族としては、それがとても不安で、窓を閉めてほしいと前から言われていました。
「じゃあ買うしかないな。ASIAIRを!」と思い、購入の検討を進めていたのですが、購入の相談を大師匠にしたところ、「余分があるから貸しますよ。」とお借りすることになりました。最新のASIAIR PLUSではなく、ASIAIR PROなのですが、機能的にはそこまで変わらないので問題なし!

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宅配便で送っていただき、早速機材の接続テストをしました。カメラとガイドカメラはZWOのカメラを使っているので問題ないとして、とりあえず赤道儀(SE2-j赤道儀)の接続テストから始めました。

SE2赤道儀とASIAIR Pro本体をSynscanUSB経由でUSBケーブルでつなぎ、Mountとして「Skywatcher Synscan」を選択するとアライメントをしてから接続してくださいと注意されてしいます。それではと思いアライメントしてから接続しても接続に失敗してしまいました。
困ったなあと思い悩んでいましたが、Mountの中に「EQMod Mount」があったので、選択したらすんなり接続できました。アライメントも不要のようです。
以前、EQMODをパソコンにインストールして赤道儀を動かして遊んでいたので、ひょっとしらと思い試したら動いてしまいました。

困ったらとりあえず「EQMod Mount」を選択して繋がるか試してみると吉かもしれません。

 

その後、カメラなどを接続し、説明書も読まず、適当にピント合わせ、極軸合わせ、プレートソルブ、オートガイド、ライト、フラット撮影等を設定したら簡単に撮影できてしまいました。途中細かいトラブルもありましたが、なんとまあ簡単なことか、、、。

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asiairで初撮影したM17になります。うーん。パソコンで必死にシステム構築してきましたが、iPhoneだけで同じことができてしまうとは、、、。恐るべし。お借りしたものですが、今後、ハマりそうなポイントを備忘録として掲載していきたいと思います。今更かもですが。

 

令和5年4月に撮影したおまけの天体達

4月に本命の天体を撮影した際におまけで撮影した天体が思いのほかいい感じでした。

豊田でS字状暗黒星雲を撮影した際に魔が差して3分×10枚だけ撮影した網状星雲東側です。ノーフィルターです。30分のわりによく映っているなと思います。これなら短時間で撮影した画像をもモザイクして、1日で東西網状星雲を撮影できるのではないかなと、、、。

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光害地の自宅で象の鼻星雲を撮影する前にテスト撮影したM51(トリミング)
光害カットフィルターNB1をつけて3分×20枚程度の露光時間ですが、おもったより詳細が映りました。銀河系は苦手なフィルターかなと思っていたのですが、ちょっと意外です。

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光害地の自宅でM51と一緒に撮影したM13(トリミング)
M51と一緒に撮影しました。30分露光です。こちらもNB1フィルターを付けています。星の色は微妙ですが、まあこれだけ映れば幸せ。

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光害であきらめていた銀河がおもっていたより撮影できるようになったので、改めて自宅でもがんばらねばと思ったのでした。