天体観測日記

ベランダから電視観望で星空を眺めるようになったばかりのサラリーマンのブログです。 自分の体験談、失敗談を備忘録として記録していきます。基本的に画質は悪いです🙈

ミルクポッド星雲40時間チャレンジ(21時間目)

秋から冬へ天候がかなり安定してきました!そんな中で総露光時間40時間を目指して、望遠鏡とカメラをベランダに備え付け状態にして、晴れの夜は、毎晩ミルクポッド星雲を撮影しています。

就寝前
アルデバランやリゲルでピント合わせ
・フラット撮影

・ガイドカメラのキャリブレーション
・ASIAIRのPLAN機能で撮影開始時間を設定し、撮影スタート


起床後
・データのチェックとパソコンへのデータの移送
・望遠鏡の片付け(電源OFF、フタ、カバー装着)

こんなルーチンで、とりあえず通算8夜、ミルクポッド星雲が撮影できる高度になってから、天文薄明となる3時間程度撮影を続けました。ボツデータもあるので、通算21時間程度になります。40時間まであと半分です(汗

sh2 308

望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
フィルター  Optolong L-Ultimate
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでオートガイド撮影+ディザリング
ガイド鏡•カメラ sv165 zwo asi385
露出 600秒(gain100)×130枚
撮影地 名古屋市の外れの自宅
編集
Pixinsight WBPP(Drizzle×2)→PCC→DBE→SCNR→BXT→NXT→MaskedStretch→SXT(星画像と星雲画像を分離)→ArcsinStretch→星雲のハイライト部分にHDRMT→CT→PixelMathで星画像を統合

やはり露光時間2時間より各段にノイズも少なく背景の赤い星雲もある程度までは炙り出せているのですが、まだまだといった感じ、40時間まで引き続き頑張りたいところ!

今回、初めて複数夜にわたる撮影をしているのですが、PixinsightのWBPPで便利な機能があったので、データの管理がとっても楽でした。

各夜に撮影したLightデータとFlatデータを[任意のキーワード]_[識別値]を名前としたフォルダ(私の場合は、DATE_撮影月日)に保存し、

WBPP実行時にcalibration画面でGrouping Keywordsに[任意のキーワード](私の場合は、DATE)を登録しておくと、フォルダごとにLightフレームとFlatフレームをキャリブレーションし、最終的にIntegrationしてくれる機能です。
BIAS、DARKファイルは、毎晩共通のファイルを利用しますので、適当な名前のフォルダに突っ込んでおくと、各日付のLight、Flatファイルから共通でダーク減算をしてくれました。

こんな機能あるなら、もっと前から複数夜にわたり撮影すればよかったなあと、かなり後悔しています。やっぱり露光時間は正義、、、。

一晩から複数夜へと撮影スタイルが大幅に変わり、データの管理、ピント合わせ、画像編集と新たな学びがあります。これまで2-3時間の露光時間で撮影してきた天体も複数夜撮影すればクオリティが格段にあがるのかなあと思うとワクワクするのですが、とりあえずミルクポッド星雲の総露光時間が40時間になるまで初志貫徹で頑張ります。

ミルクポッド星雲40時間チャレンジ(2時間目)

久しぶりのプチ遠征にいって撮影できなかったミルクポッド星雲(SH2 308)を自宅を撮影できないか試してみようと思い。OptolongのL-Ultimateフィルター+カラーカメラでナロー撮影をしてみました。

大師匠にフィルターの購入を報告したところ、半値幅が狭いからフィルターだから、40時間鬼のように露出しましょう。という鬼のような課題をいただきました。マジか!と思いつつ、撮影を開始しました。比較のために露光時間ごとの状況をみていくと面白いかなあと思い、とりあえず自宅のベランダから2時間半弱撮影した結果がこんな感じでした。

sh2 308

望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
フィルター  Optolong L-Ultimate
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでオートガイド撮影+ディザリング
ガイド鏡•カメラ sv165 zwo asi385
露出 600秒(gain100)×14枚
撮影地 名古屋市の外れの自宅

フラット補正済み強調処理前の一枚撮りの写真だと、ミルクポッドの注ぎ口あたりがうっすらと見えるくらいです。淡いです。そのため、露光時間が全然足りておらず、Pixinsightでスタック、強調処理をかけるとノイズでざらざらになります。それを無理やりNoiseXTerminatorでごまかしてる感じですね。ミルクポッドは、ノイズ処理の影響でのっぺりとしながらもなんとか立体的に見えますが、バックの赤い星雲はあんまり映りませんでした。

f:id:hosiryman:20231018000546j:image
上の写真は、我が家の光害の状況なのですが、名古屋市の北側に位置していまして、ミルクポッド星雲のあたりは、市街地の光害であふれています。加えて、最近、写真左側の公園の照明が強化されまして、東側の空は夜間ずーっとピカピカです。なので、こんな星雲絶対撮影できないなあと思っていたのですが、技術の進歩ってすごいなあと思います。といっても天文歴2年程度のぺーぺーですが、、、。

 

スコーピオさんの壁に貼ってあるミルクポッド星雲の写真をみて、自分もがこの星雲を撮影したいなあと思っていたのですが、いろんな方の知恵をお借りしながら完璧でないにせよ一定到達できたなあと感慨深いです。40時間に到達できるか不明ですが、露光時間を稼いで鮮明な写真にできるよう頑張ります。(自信はありませんが、、、、。)

ハロウィンに背を向けて5か月ぶりのプチ遠征

10月の新月!天気がよさそうな日にやっと自宅を出て、近場の豊田市の高原に突撃しました。最近、夜間の気温が急激に落ちているのでかなり厚着をしていきましたが、かなり冷え込みました。防寒着を追加購入しないと危険かも?
撮影は、M45→魔女の横顔(IC2118)を撮影することにしました。魔女といえば季節的にハロウィンなのですが、私としては、水星の魔女を全話視聴済み&ガンプラ好き(子供が欲しがってることにしてキャリバーンを発売日に並んで購入。)なので、そういう意味?でIC2118の撮影は成功したいところです。というかですね。ハロウィンのイベントなんか学生時代なかったし、あっても非リアな私には無理!

ic2118

望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
フィルター カメラに標準のIR/UVカットフィルター
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでオートガイド撮影+ディザリング
ガイド鏡•カメラ sv165 zwo asi385
露出 600秒(gain100)×34枚
撮影地 豊田市


途中、雲が出てしまい3時間弱しか露光できませんでしたが、星雲はちゃんと写ってくれました。ただ、他の方の作例にあるような横顔の背景の赤い星雲(私的にはフレッシュトマト)は、写りませんでした。自宅でナローバンドで撮り増ししてみようかな???
ic2118に先んじて、M45も撮影しました。去年の冬に撮影した時は、HEUIB-IIフィルターをつけて撮影したら、輝く星の周りに紫色のハロが出てしまい編集に苦労したのですが、今回はフィルターなしで撮影しました。

m45望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
フィルター カメラに標準のIR/UVカットフィルター
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでオートガイド撮影+ディザリング
ガイド鏡•カメラ sv165 zwo asi385
露出 180秒(gain100)×40枚
撮影地 豊田市


大きな課題としては、星像がかなりいびつになっていまして、M45の作例だと画像左側→右側に行くにつれて、星が右側に肥大しています。撮影後に光軸をチェックすると主鏡の軸がかなりずれており、撮影中に光軸がずれているような気がします。これを何とかしないとR200SSの未来はお先真っ暗なので、一回、分解して位置から主鏡周りのネジの締め具合の点検をしてみようかなと思いました。

R200SSを購入してもうすぐ1年目の反射望遠鏡初心者なので、修行がまだまだ足りないようです。しかし、惑星から星雲まで撮影できる楽しい望遠なので末永くお付き合いしたいですね。(ほかの望遠鏡も欲しいけど、、、。)

中秋の名月

天候もよかったのでコンビニで買った3色団子を食べながら、中秋の名月を撮影してみました。

moon

望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでビデオ撮影

いつもの機材の組み合わせですと、ビデオ撮影時に月が画角に入りきらないので、適当に4分割してビデオ撮影(各1分)して、AutoStackert!でそれぞれを25%スタックし、PhotoShopのPhotomerge機能で合体し、PixinsightのCCでカラー調整→CTで彩度を上げて、RegistaxでWavelet処理をかけました。月面カラー化は、やるかどうか迷ったのですが、家族に月にも色があるんだよ!とか、自慢したくなってしまい、、、。

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PhtotoshopのPhomerge機能は、数年前に利用したときは月の輪郭が一部ずれてしまったのですが、今回はきれいに統合できました。アップデートされたのかな?(たまたま?)

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月面のカラー化は、Photoshopの彩度調整では、うまくできなかったので、PixinsightのCTで処理したのですが、かなり強調かけないと色が出ないですね。(本当にこの方法でいいのかどうかよくわかっていないのですが、、、。)

moon撮影時間を延ばして、スタック枚数を増やせばもっと詳細がでるのでしょうか。久ぶりに月を撮影しましたが、楽しいですね。

追記

よくよく考えると静止画で月全体を普通に撮影して、スタックしても良かったですね (汗

赤い星雲をカラフルに処理したい。

 L-Ultimateフィルターのテストをかねて、我が家のベランダからは、午前2時くらいから撮影可能になるバラ星雲を撮影してみました。薄明まで10分×10枚くらいとトータルの露光時間としては短めです。にもかかわらず、赤い星雲は非常によく映るなあという印象ですが、色は単調な感じがしてしまいます。いずれ、ブロードバンドで撮影した画像をブレンドしてみようとは考えているのですが、、、。

 一方、L-UltimateとASI2600MC等のカラーCMOSカメラで撮影した画像をAstrobin等の海外サイトで検索すると結構な頻度で、赤い星雲があたかも赤と青2色ので色づいたモノクロCMOSカメラで撮影したような?画像が出てきます。
そして、HOOとかSHOとか記載されています。モノクロカメラに憧れている私としては、どうやって処理しているんだろうと気になって仕方ありませんでした

 いろいろ調べてみると、YoutubePixinsightのNarrowband Nomalizationというプロセスを公開されている方がいて、それを使うと簡単にできそうだということが分かりました。Narrowband Normalization PixelMathというリンクが、動画の概要欄にあるので、そこからファイルをダウンロードして、Pixinsightにドロップすれば簡単に利用できます。とりあえず、HOOを適用してみました。

rosette nebula

望遠鏡等  R200SS+コレクターPH(760mm f3.8)
カメラ asi2600mc pro
フィルター Optorong L-ultimate
架台 ケンコー se2-j赤道儀
ASIAIR PROでオートガイド撮影+ディザリング
ガイド鏡•カメラ sv165 zwo asi385
露出 600秒(gain100)×10枚
撮影地 名古屋市外れの自宅。


こんな感じになります。使い方としては、ストレッチした画像からStarnet2で星消し画像を作成し、Narrowband Normalizationのアイコンを星消し画像にドラッグ&ドロップするだけです。アイコンにはHOO HSO HOS SHOの記載があり、選択できるようになっています。その後、星のみの画像をPixelMathで合体します。

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星の色が、おかしくならなないように分離して処理しているんだと思います。使い方は、上記の動画の中で開発者さんが教えてくれます。(英語なのですが、pixinsightを使っていればなんとなくわかると思います。)

ちなみにSHOを適用すると↓の画像のような感じになります。

f:id:hosiryman:20230926061102j:image

↓もともとのRGBで処理した画像です。

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pixelmathを使ったプロセスなので、数式が中にたくさん入っており解読すれば仕組みがわかるんでしょうけど、なにぶん自分は、バキバキの文系なので、どんな処理をしているのかさっぱりわかりません。ただ、単純に色がいい感じに変わって楽しいなあと。
なお、プロセスにはバージョンがあり、古いバージョンもダウンロードできるのですが、新しいものがおそらく優れているのだろうと思います。ということで、非常に適当なのですが、面白ツールみつけましたよというレポートでした。

君は完璧で究極のフィルター?

9月も中頃を過ぎましたが、仕事、天候など諸々の事情により相変わらず遠征できず、家でしか撮影ができない日々が続きます。(10月こそは!)
惑星の撮影も楽しいですが、やはり本業?はDSOの撮影。もうOPTOLONG L-Ultimate 2"で、光害と戦いながら自宅で撮影するしかないな!と思い入手したのでした。

鏡みたいだあ!綺麗だなあと思いつつ、晴れ間を狙って、19時過ぎから自宅から南側、名古屋の市街地光害まみれの低い空にあるNGC7293でテスト撮影したのでした。
NGC7293は、これまでのIDAS NB1フィルターでも撮影はできているのですが、↓の写真とおり、DBEをかけても円形の光ムラが発生し、処理が非常に難しくなってしまいます。(PixInsightのSTFでブースト状態です。)

今回、L-Ultimateで撮影したNG7293は、↓の写真のとおりです。NB1で撮影した写真とは、gain(100→0)・露光時間(3分→5分)・画像の向きが異なる等、ツッコミどころ満載ですが、同じ方法でDBEをかけてSTFでブーストしても変なムラは出ていません。

もうちょっとテストしてみないとなんとも言えないんですが、光害カット効果は明らかにあるなあと思いました。そのまま夜更かして、M42をテスト撮影して、pixinsightで簡単に処理してみました。

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あれ、ランニングマン星雲がいない!
過去に撮影したNB1フィルターですと下の写真のような感じです。

よくよく調べてみると反射星雲は、ほとんど映らないようです。optolongの公式サイトの作例にはランニングマン星雲が写っているのですが、他のフィルターで撮影した画像とブレンドしているようでした。
https://www.optolong.com/cms/document/detail/id/258.html

その他、半値幅が3nmと異様に小さいため、一枚あたり10分程度露光したほうがいいよと、購入店の店長さんにアドバイスをいただいたのですが、人工衛星が通過したり、風が吹いてガイドが乱れたりと結構大変でした。5分じゃダメかなあ、、、。(軟弱)

使い所を選ぶフィルターなんでしょうけど、光害カット効果は抜群ですし、ネットで色々調べていると東京都23区内からSH2 308を撮影している方とかもいて、夢が溢れるフィルターなので、頑張ってみようと思っているのでした。

惑星撮影をしたら木星が青色に、、、

天気、仕事、家庭と全然遠征に行ける気がしないので、以前から温めてた?パワーメイトx5で、家から惑星撮影計画を実行することにしました。

お借りしたASIAIRPROのビデオ機能でサッと撮影して、さっとスタックして、wavelet処理をかけちゃえーということで、まずは衝直後の土星から。

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望遠鏡等  R200SS(800mm f4)+パワーメイト×5
カメラ asi385mc
フィルター zwo ir uv カットフィルター
架台 ケンコー se2-j赤道儀
露出 asiairproのvideoモードで3分撮影し、AutoStakkert!で30%スタックし、registaxでwavelet処理
撮影地 自宅

 

多分シーイングもあんまりよくなく、機材的(ADCとか)にも技術的(registaxの細かい設定とか)にもまだまだなのですが、自分的には満足。なかなか遠征にも行けませんし、自宅でなんとかなりそうな惑星撮影も本格的に勉強しようかなあと思ったり、、、。

 

続いて木星を撮影したのですが、更に色がおかしくなってしまい、青い縞々が、、、!ブルームーンならぬブルージュピターに、、、。

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過去にsharpcapで惑星を撮影したときはこんなことなかったのになーと、WBをいじったり露出をいじったり悩みましたが解決せず真夜中に。ASIAIRアプリでmp4に変換すると色は普通なのになぜ??(ちょっと青い気もしますが、縞々は茶色。)

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色はともかく、今までで1番、惑星表面の詳細は読み取れたので、これもとりあえず満足。とりあえず今度は、sharpcapで撮影してみようと思い切り上げました。

ひとしきり悩んだあとに、ベランダから空を見たらシリウスとオリオン座が、もうすぐ秋だなあと季節の移り変わりを実感したのでした。

※9月3日追加

HIROPONさんにコメントいただいたとおり。
AutoStackert!に撮影した動画を読み込む際に、メニュー→colour→ベイヤー配列を指定することで色が正しく認識されました!ありがとうございました!

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